田港 敬吾

KEIGO TAMINATO

塗装整備部

家族旅行で飛行機から見た整備士に憧れて

整備士になりたいと思ったのは中学生の頃です。飛行機の窓から見えた整備士に憧れて、工業高校に進学し、進路相談の時にこの会社を知りました。一番魅力を感じたのは飛行機の塗装ができるということです。塗装をやりたかったので入社すれば毎日塗装ばかり出来ると思っていたのですが、実際は何ヵ月に1回程度でそれ以外は構造整備の仕事をしていました。そのおかげで航空機の構造を覚えられましたし塗装以外の整備経験を積むことができたので、自分にとって大きなプラスになりました。今は塗装の機会がかなり増えてやりがいのある日々を過ごしています。

マスキングが取れて、きれいな機体が現れる瞬間は感動的

飛行機を1機塗装するのに14日ほどかかります。ドックには大型の機体も塗装できるスペースがありますのでそこに機体を入れて、まず古い塗装を削り落とします。それからマスキングなどを施し、手作業で塗装します。6人の整備士が機体の両サイドに分かれて、掛け声でタイミングを合わせながら同時に塗っていきます。とても時間がかかりますし、技術と集中力、体力も必要な作業です。塗装前の機体はくすんだ色をしていますが、塗り終わってマスキングがとれると綺麗に仕上がった機体が現れるので達成感が込み上げてきます。作業の苦労を振り返るとやりがいを実感します。なかでも特別塗装という普段と違う塗装をする時はとても楽しいです。例えばポケモンの塗装ですね。自分が塗装作業を行った機体を目にすると、あの部分を自分が塗ったという記憶がよみがえるので、うれしくなります。

塗装の国家資格、一級塗装技能士を目指す

塗装は経験を重ねないと身につかない技術です。大事なのは飛行機の肌を見て塗ること、機体表面の艶ツヤとか均一に塗られているかを見極めながら作業しています。機体の複雑な形状、湾曲しているところはとくに注意が必要で、均一になるように腕を横に振りながら塗りますが、均一に振れていないと塗料が垂れて修正が必要になってしまいます。少なくとも10年はやらないとベテランの域に入れないと思います。今目指しているのは国家資格の一級塗装技能士で、受験資格は実務経験7年以上なので来年はチャレンジしたいです。早く取得して塗装を任されるようになりたいですね。塗装は同じ体制のまま長時間作業したり、それでいて繊細な面も持ち合わせていたり、根気の要る仕事なのでモチベーションが必要ですが、やる気があればどんどんスキルアップできると思います。